『多動と体の内側に感じる感覚の関係』
多動といわれる状態は、動きたいという身体の内側にある感覚的な要求が働いていることが原因の一つと言われています。「お腹がすいてご飯を食べたい」という生理的な欲求と似ていて、「体の内側に入る感覚刺激が足りないから、感覚を入れたい」という行動です。
私たちが、窮屈な乗り物に長い時間乗っていると動きたいという気持ちにかられますが、それと似ています。
体の内側に感じる感覚は「固有覚」(筋肉や関節に感じる感覚)と「前庭感覚」(体の傾きや動いているスピードを感じる感覚)があります。どちらも感じにくいと跳びたくなったり、走りたくなったり、回転したくなったりします。我慢させすぎることのないように、内的な感覚要求を満たしてあげることを考えましょう。
外遊びで、飛び跳ねたり、回ったりするといった遊びが少ない現代、この内的な感覚が足りないことと、子どもたちの行動に落ち着きがないと感じることは関係が深いと考えられます。
『好きな感覚を楽しめるようにする』
動きたいという気持ちは、好きな感覚を満たしたいという欲求が強いために起こります。まずはその欲求を満たすことを考えましょう。それには、子どもの体に触れて筋肉や関節に感覚刺激を入れる関わりや遊びを取り入れるとよいでしょう。我慢させるより、適切な方法で、好きな感覚を満たしてあげるということです。
具体的には‥‥
【座りながら感覚をみたす】
・手や腕など、ギュッギュッと握ってみよう
・肩や背中、ひざなどトントンとたたいてみよう
・頭を指でマッサージしてみよう
【運動遊びで感覚を満たす】
・指相撲や腕相撲、鉄棒にぶら下がる、前回りをする、マットででんぐり返し、木登り、ジャングルジム、うんてい
【道具を使った工夫】
・バランスボールで座ってピョンピョン
・一人用のトランポリンで繰り返しジャンプ
・マッサージチェアで筋肉や関節をもみもみ
・回転いすに座ってくるくる回る
体がムズムズしてきたら、一人で感覚を楽しめるようにしてみましょう。もちろん最初は大人が手伝ってあげましょう。手のひらや手首のあたりをもんでみたり、ひざを強めにさすってみたり、子どもが好む感覚を探しておくとよいでしょう。
お子様の発達に関する事で気になることやご相談などありましたらお気軽にスカフォルズまでお電話ください。
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