4月5日のブログで、集団に向けての個別の関わりについてお話しさせていただきました。
その中で出てきた、「集団で必要となる認知ベースのスキル」。
それはどのように育っていくのでしょうか。
子ども達は「自分」という人としての土台作りを様々な体験を繰り返す中、五感を通して築いていきます。その為に必要なのは、豊かに育つための遊びです。
その中で自分以外の物や人に出会い、物を通して人との関わりが生まれます。自分以外の相手への関心を持つことの始まりです。人と関わり始めると、「言葉」に出会います。
ただ、言葉との出会いはあれど、まだ意味を持って聞くことは難しいのです。言葉を合図のように聞いているのですね。その後言葉(名詞理解から動作語へ)を使う経験の中で自分中心の一義的な理解から、相手と共通の物をイメージしてやり取りができる段階へと移行していきます。
言葉を合図のように聞いていたり、自分中心の一義的な理解にいる子ども達にとっては、集団での指示やお話の理解は外国語を聞いているような感覚に近いかもしれません。文全体の意味は分からずとも、知っている単語を繋ぎ合わせてどうにか理解しようとしたり、相手の表情や身振り手振りでなんとなく分かろうとしたり。頑張り屋さんな子わかろうとする作業に力を使い切り活動へ至るまでに疲れ切ってしまったり、分からないことを聞くのが辛くて聞くことに苦手意識を持つようになったりもします。
では、集団に向けての関わりで何が必要になってくるのか。
それは一人ひとりの理解に合わせた、「真の言葉の理解」とそれに付随する「概念の理解」や「イメージの世界を豊かにする」こと。
好奇心をくすぐったり、安心でき記憶にも残りやすい感覚遊びを十分に取り入れて、情緒が安定している中で相手との共感を楽しむこと。
この支援を一人ひとりの発達に合わせて丁寧に行うことで、ルールの理解や相手の気持ちを考える、空気を読むなど集団行動で必要とされる抽象的な事柄への理解に繋がります。
発達に飛び級はありません。
私達大人はご本人の発達にあう環境を整え、お子様自身が経験の一つひとつを大切に積み重ねながら育っていく姿を一緒に見守りましょう。そのままの自分を受け入れてくれる安心感が子ども達の自己肯定感を育み、どのお子様も、安定した情緒のもとで「もっとやってみたい」「次は○○するぞ!」と次の挑戦へと進んでいけます。
子ども達は経験の中、着実に次のステップに向けて育っています。
子ども達が大きく成長した姿を楽しみに、不安な時は私達支援員と成長を確かめ合いながら、スモールステップでいきましょう。
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